こだわりの日本ワイン・ワイナリー探訪in勝沼醸造
Cave anさんの安蔵正子様のご紹介で甲府市勝沼町下岩崎にあります歴史あるワイナリー『勝沼醸造』さんにお伺いさせていただきました。
創業1937年から人々に感動を与えるワイナリーの創造を目指し、甲州に特化し甲州で世界へのスローガンのもと、勝沼の自然の恩恵を生かすワインづくりに励まれております。
専務取締役の醸造家・有賀裕剛氏から勝沼醸造さんのこだわりのワインづくりのお話しを色々とお聞きさせていただきました。老舗だからこその努力の数々、甲州への熱い想い「世界中の人々の胸を打ち、驚きと感動を与えるワインへ」、甲州という大和撫子のようなワインの印象を超え、新たな世界を見据えてワインづくりをされております。
【こだわりの栽培】
1) 余分な肥料は与えず、その分まめに手入れをする
2) ブドウのポテンシャルを最大限に引き出すため、石灰などを投入し、土地改良。
3) 垣根栽培
4) ブドウの肩や先端を落とし小さな房にすることで糖度の高い良質な原料に。
5) 一本一本の木の枝を一定方向のみに伸ばし、その枝にブドウを実らせることで生産性を高める一文字短梢仕立てにもチャレンジ。
ワインのテイスティングもさせていただき、一番驚いたのは『ARUGA BRANCA ISSEHARA』でした。
甲州種はどちらかというと優しい香りのイメージですがこちらのワインはよりしっかりとした柑橘香を感じとれ、不思議な感覚になります。『伊勢原』の土地の個性がワインに出ているそうで、日本では数少ない砂礫質の沖積土壌で非常に水はけよい構造になっている特別な畑です。
個性豊かな3つの畑の土地の特徴を生かしながら、溌剌とした繊細な泡ですが余韻短くキリリとした「ブリリャンテ」(スパークリングワイン)、甲州の王道をいくコスパ最高の「クラレーザ」、樽発酵の「ピッパ」など色々な甲州のスタイルがあり、甲州の新たな発見がありました。
醸造家の方々のお話しはとても興味深くお勉強になります。
有賀裕剛様有意義なひとときを共有させていただきありがとうございました。
【甲州種のお話し】
山梨県といえばやはり1300年以上の歴史をもつ日本固有品種『甲州』です。
2010年に国際ブドウ・ワイン機構(OIV)により登録認定され、これによりEU諸国への輸出・販売の際ラベルに品種名の表示が可能となりました。
2013年甲州のDNAが解析され、甲州は欧・中東系品種である「Vitis Vinifera」のDNAに中国の野生種(ヴィティス・ダヴィーディ)のDANが約3割含まれていることが明らかになりました。
シルクロードから中国に渡り、長い年月をかけて中国で野生種と交配しながら日本に伝わってきたとされており、甲州のブドウにはロマンがありますね。